あなたに言っておく 
あなたが、病院のトップとして着任したとき、数百人の職員の前で、訓辞されましたね。

    全ての医療は患者様の為にある。
    研究主体でこれからの○○医療を担おう。
    実績中心に組織形態を変える、教育を重んじる。
    医療過誤、自己は全てを公にし開示する。
    医療ガバナンス、コンプライアンスを重視する。

 私は、心を振るわせました。歓喜しました。この人なら変えられる。変えてくれる。
 あなたの言ったことは本心だったのでしょうか。心からの訓辞だったのでしょうか。与党の大物政治家が病院を訪れ、講演し、あなたの政治力に多くの職員は驚く。あなたの革新的意見、行動は今まで類を見ないほどの変革をもたらした。あなたの改革は確かに必要でした。あなたを陰で批判する多くの職員に対しても私は言いました。
「間違っていない。改革してもらわなければいけない。」  今でも改革は重要であり必要であったと思います。
 しかし、多くの医師があなたの元を去りました。多くの職員が処分されました。職員はあなたを畏怖し、誰一人あなたに異議を唱える職員はいなかった。複数の週刊誌、多くのメディアはあなたの人格を攻撃し、その都度あなたは病院の公的HPに反論を記載した。右翼系の新聞まで、あなたの周辺を書きたてた。病院を去る前日までメディアは問題提起し報道を行った。異常事態です。これがあなたの描いた改革だったのでしょうか。医療ガバナンス、コンプライアンスなのですか。
 私が意を決し公益通報したとき、あなたはさぞ驚かれたでしょう。医者の中の医者、日本で最も権力のある医者。厚生労働行政、医療保健制度にさえ影響を与える医者。あなたは行く先々で医療ガバナンス、コンプライアンスの大切さを説かれた。そのあなたのお膝元で発生した医療不祥事。 あなたは記者会見で言いましたね。

「全ては間違った認識に基づくもの。そして私が着任した以降は全くそういう問題はない。」

医療事故などは全て開示する。医療ガバナンス、コンプライアンスの重視。あなたの言ったことは一体何だったのですか。調査委員会ではあなた自身が調査委員長に就任し、第三者は一切入れない、お手盛り調査、有形無形の圧力の数々。そして私が何十回と懇願、文書提出した組織的隠蔽、公益通報妨害には最後まで一切、調査すら行いませんでしたね。それがあなたの言う組織のコンプライアンス、ガバナンス、医療不祥事の開示なのですか。調査委員会では不都合な証拠は採用しない。全ての職員の活動は患者のためと。言った訓辞は嘘だったのですか。

 謝罪記者会見の前日、あなたと私はあなたの部屋で会いましたよね。ボロボロの私。そしてあなたはこう言った。

 「あなたには感謝している。配転を取り消す。体調は大丈夫か。」

 すっかり騙されました。そして突然の翌週に開かれた記者会見。私とも話したという既成事実を作るために私と会ったのですね。信じた私が愚かでした。でも最後は人の情け、慈愛を信じたかったのです。
 報告書もうまく作成しましたね。都合の良い様に、さすがです。妻の採血を捨てて、虚偽データを入力するのは個人的問題ですか。良くこんな言い訳を考えられましたね。報道陣もあきれ果ててました。医療不祥事、隠蔽、公益通報妨害に対する確実な証拠があるのに“患者に影響がない”との理論で報告書を作成し結論ずけた。だから2時間半にわたる厳しい質問が記者から相次ぎましたね。。それが解らなかったのですか。多くの識者、世論はこう言っています。

 患者に影響があったか否かは重要な事。しかし、本件はそもそも、多くの医療不祥事が発生し、なぜそれを隠蔽したか未然に防げ無かったかが重要であり問題をはき違えていると。そして公益通報妨害と、第三者を入れない完全な身内調査だと。

多くの記者は言っていました。もう退任だから。と...しかし、あなたは今度、医学教育にたずさわる。あなたの影響が多くの若い医師達に伝わる。
 あなたと某国立大学の学長選挙に対しては過去に多くの報道がなされ、今でさえも反発がある。あなたは何処でもそうだったのですね。それはあなたの信念なのですか、そんなに偉くなりたいのですが、自分の意のままでないと駄目なのですか。医療においては病気で苦しむ患者さんこそが中心なのではないですか。

そして、その謝罪会見翌日
                   「大したことではなかった」
                   「公益通報者は嘘つき」
                   「第三者なんて要らない」
                   「立ち小便したくらいのこと」.....。

誹謗中傷の数々。警察に私を逮捕させるんですか。.....あなたは、あなたの部下にさえ裏切られていた。

病死した患者さんの臓器を解剖中に流してしまう。頻回な医療不祥事と隠蔽。これが、立ち小便くらいの事ですか。あなたの訓辞は一体何だったのか。報告書を配布し幕を降ろした後のさらなる業務命令、これは脅しですか。
 
これらがあなたの言う患者中心の医療ですか、医療倫理なのですか、ガバナンスなのですか。私には解らない。どうしても解らないのです。
 人は権力、お金、立場、都合により動かされる。しかし、かけがえのないものは決して動かされやしない。愛、信念、真実、慈しみ....。
 私は、あなたを哀れにさえ思うのです。あなたの心には決して届くまい。しかし、



                 
あなたに言っておく


あなたのいかなる権力も私の心に対しては             かすかな傷さえけられ無かった